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NHK教育TV「ふえはうたう」は、1985年の秋から製作開始し、1986年春から1997年春まで11年間放送されました。モーツァルテウム音楽大学でリコーダー、音楽学を、そして、オルフ研究所で音楽教育を学んできたことが、偶然にもこの番組で一つに集約することができました。講師をしながら、私自身も多くの事柄を学ぶことのできた感謝と幸福の11年間でした。
番組では可能な限りの教育アイデア、リコ−ダ−の指導、良い音と演奏を教室に届けようと、生徒と教師のための番組作りを心がけてきました。
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テキストと台本の原案は私が書き、その原案を番組委員会で話し合った上で
NHK学校番組テキストは作成されました。
教師のためと言うのは、リコーダーの専門家をほとんど置いていない日本の大学では、教職課程でリコーダーについて詳しいことを学べませんし、そのまま、学年担任となった先生がリコーダーを生徒に教えるのですから、この番組にたいする期待は大きいのです。 |
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Photo
1997年3月
piano 山内知子 voc 関俊彦 小笠原優子 |
平成4年度から、文部省(現、文部科学省)の指導要領には「たてぶえ」とあった表記を「リコーダー」に、分類として「その他の楽器」の項にあった表記を木管楽器として「リコーダー」の項に変えていただきました。また、音遊びを通しての「即興表現」や「やよいの土笛」=楽器づくり等は、後に文部省の指導要領にも影響を与え、やはり同年に、「即興表現」が学習指導要領に加わることになりました。これは、この番組が日本の音楽教育をリードしてきた足跡の一つといえます。
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その後、1997年4月から、番組が3、4年生むけの「トゥトゥアンサンブル」に変わりました。私は、このリコーダーコーナーの学校放送テキストを担当し、2000年度からは、3年生むけの「うたえリコーダー」のNHK番組委員を担当しています。より学校教育に即した番組作りをと考え、今後も教育TVのあり方を思索しながら番組製作に加わっていけたらと思っています。
皆様の暖かい御声援を心からおねがい申し上げます。 |