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こうして中学2年の夏、私は晴れて花岡和生先生に弟子入りすることになりました。
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初めて門を叩いたときに先生が吹いて下さった時のリコーダーの音色は今でも忘れることはできません。それはそれまで聴いたこともない、甘くまろやかな何とも言えない優しい音でした。一体どうやったらあんな音色が出せるのだろう・・・不思議で不思議でたまりませんでした。
せっかく習い始めたのはいいものの、しばらくはスランプ状態が続きました。練習していないわけではないのに、どうも先生のおっしゃるようには吹けないのです。
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これでは音楽を楽しいとも思えません。そんな状態が1年も続き「やっぱり私には向いていないのかなあ」とも思いました。
しかし神の啓示というものはある日突然やってくるものです。ある日ついに私にリコーダーそして音楽の面白さがわかったのです。それはまさに奇蹟のような体験でした。素晴しい師との出会いが、私の人生を変えてくれたと言っても過言ではないでしょう。
それからというもの私は熱心に練習に励み、リコーダーをやりたい、音楽のことをもっと知りたいという気持ちは増すばかりでした。 |
閉ざされた音大への道 |