きっかけ
素晴しい師との出会い
閉ざされた音大への道
リコーダー奏者として
Part 1〜お笑い編
Part 2〜怒り編
Part 3〜苦笑い編
リコーダーのこと
リコーダーの簡単なご紹介
リコーダーと「たてぶえ」



誤解を恐れずに言うなら、リコーダーはみなさんご存じの「たてぶえ」とほぼ同じものであると考えていただいてもいいと思います。ただしこれはわかりやすく説明するための便宜上のものであるということを頭の隅に置いておいて下さいね。このことついての詳しくは次回に譲るとして、とりあえず簡単にリコーダーのご紹介をしたいと思います。 

リコーダーという名はラテン語の動詞 record(鳥がさえずる)から来ていると言われています。この動詞の名詞形がrecorder(鳥のさえずり)つまりリコーダーの語源となるわけです。鳥が鳴いている様子を思わせるリコーダーの音色を聴いてみれば、なるほどとうなずけます。
なおリコーダーというのは英語で、ドイツ語ではブロックフレーテ、フランス語ではフルート・ア・ベックなどと呼ばれています。

ルネサンスやバロック時代にはたくさんの曲がリコーダーを想定して作られました。当時フルート(笛)と言えば当然リコーダーのことを指しており、横笛のフルート(現代のいわゆるフルート)を指定する場合には、フルート・トラヴェルソなどと表現してわざわざ横型であることを断わらなければなりませんでした。
かの有名なバッハ作曲のブランデンブルグ協奏曲第2、4番では独奏楽器として「フルート」が指定されており、現代では横笛のフルートを使って演奏されることが多いようですが、実はこれもやはり横笛のフルートではなくてリコーダーのための作品なのです。
そしてみなさんお馴染みのヘンデルやヴィヴァルディといった他の作曲家らも、意外と知られていないように思えるのですが、実はリコーダーのための曲を多く作曲しており、リコーダーの重要なレパートリーになっています。


リコーダーは純粋な器楽曲の中で使われていたのはもちろんですが、注目したいのは、劇中において天使が降りてくる場面や神々が登場するような場面でしばしばリコーダーが用いられていたようだということです。つまりリコーダーの音は神・天使などを暗示する役目を果たしていたということになります。
確かに、教会などの荘厳な雰囲気の中でリコーダーの演奏を聴くと、実に清らかで神々しいと言いましょうか、本当に神様や天使が天から降りてきて私たちの頭上を漂っているような気がするのですから、不思議なものです。

Giovanni Bellini,Italian,1430-1516

教会でのリコーダーの演奏を聴いたことがない方、是非一度お試しになるようお勧めしたいと思います。そしてあなたの頭上で天使が舞っているのを感じて下さい!

  リコーダーと「たてぶえ」