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理系で東京圏にある国立大学というと意外と少ないもので、その中で私は東京大学に行きたいと思いました。そして運よく浪人も免れて東京大学理科二類へ合格したのですが、入学後しばらくは目新しい生活に振り回されてしまい、音楽を振り返る余裕はありませんでした。
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しかし高校3年からのブランクはあったものの、やはり音楽に対する情熱は断ち難く、大学3年の秋にリコーダーの道を進もうと決心しました。もちろんこの決意に対して、周囲から「勿体ない、就職するとか大学院に進むとかしたら」「演奏家としては食べていけないのでは」といった声が多く聞かれたのも事実です。
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しかし東大での学生生活を送ってみて、私は物理や数学に対して情熱を傾ける気には到底なれないのだとはっきりと悟ったのです。
そもそも私の気持ちはリコーダーにしか向けられていなかったのですから。そして人生は短いのですし、自分のやりたいことや好きなことを敢えて我慢する手はありません。
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そういうわけで私は音楽への道を選び、今は音楽中心の生活を送ることができて幸せに思っています。 |
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