きっかけ
素晴しい師との出会い
閉ざされた音大への道
リコーダー奏者として
Part 1〜お笑い編
Part 2〜怒り編
Part 3〜苦笑い編
リコーダーのこと
リコーダーの簡単なご紹介
リコーダーと「たてぶえ」



笑えるエピソード(といっても実は私自身が笑ってしまった話であって、読んで下さる方には笑えるかどうかわかりませんけど)をご紹介します。

実は・・・私は恐怖の笑い上戸なのです。ちょっとでもおかしなことがあると笑いが止まらなくなってしまう傾向があり、リハーサル中でもよく一人で笑いころげて練習を中断させるので、共演者の方々も初めは「あはは・・・」と笑って見ていてくれるのですが、そのうちあまりにも笑い続けていて腰や背中が痛くなってしまい、「何なんだ、こいつは」といい加減うんざりされているのにもかかわらず、それでも止まらないというこまりんぼうです。  
どうやら私の脳味噌は下らないことを何度も何度もリフレインさせる回路になっているらしく、そのために笑いが止まりかけてもまた再びもとの振り出しに戻ってひたすら笑い続けてしまうという気がしてなりません。でもリハーサルならまあ許されるのでしょうが、これがもしも本番中に起こったなら・・・!?

まだ私が大学生だった頃の話です。私が所属していた東京大学ブロックフレーテアンサンブルというサークルは、年に2回行われる学園祭(5月には五月祭、11月には駒場祭)で演奏会を行っているのですが、その駒祭でのこと。  

私を含まない4人のグループがパーセルの「アブデラザール」から数曲を演奏することになっていたのですが、その4人のうちの一人が二日公演のうちの一日どうしても出られないということで、本番直前に突如私が代役として、ほとんど合わせの練習もなしに吹くことになりました。思えばこの「所詮助っ人なんだし、気楽にやってもいいや」という気軽さ、緊張感のなさがまずかったのかも知れません・・・


まずはしょっぱなから「空振り」。つまり「振り」(曲の出だしの合図)をすることになっているKくんが予定通り振ってくれたのはいいのですが、残りのメンバーがちゃんとそれを見ていなかったのか、とにかく誰も吹かなかったので、Kくんの一人芝居となってしまい、結局また振り直し。それが本当は神妙な場面だったのですが、却って私にはおかしく感じられ、思わず「ぷっ」と吹きだしてしまったのでした。  

それだけならまだよかったのですが、別の楽章では、今度はいきなり出だしから奇妙な和音が鳴っているのです。いくら助っ人で曲の全体像がわかっていないとは言っても、あまりにもおかしすぎる!それが曲のリズムと相俟って「プップー。プップー。」という風に私には聞こえたので、演奏中だというのに吹き出しそうになり、一部「ブッ」と吹き込んでしまったものの、それでもどうにかこうにか持ちこたえたのですが、演奏しながら肩がぶるぶると震えてしまいました。  

後からわかったのですが、原因はまたしてもさっきのKくんで、なんと譜面の違うところを見て吹いていたというのです。さすがに2回目の繰り返しではもとに戻ったそうですが。  そして演奏終了後、我がサークルではお客様にアンケートを配り、感想などを記入してもらうのが恒例となっているのですが、その中に「演奏中吹き出してしまったおちゃめな人がいました」と厳しいチェックが入っていたのにはビックリ。馬鹿なことはできないものです。
 
  Part 2〜怒り編